
HPVワクチンを知る 第1回 「娘にHPVワクチン、どうする?」まず知っておきたいこと
「自治体から子宮頸がんワクチンの案内が届いたけれど、本当に打たせて大丈夫?」
「私たちの頃とは情報が違っていて、どう判断したらいいのか分からない…」
思春期のお子さんを持つお母さんから、このようなご相談をいただくことがあります。
大切なお子さんの体に関わることですから、不安になったり、迷ったりするのは当然のことですよね。
ネットやSNSを見ても、さまざまな情報があふれています。
だからこそ今回は、産婦人科から「今、知っておいてほしいこと」を3回に分けてお伝えします。
第1回は、そもそも「なぜ10代でHPVワクチンを受けるの?」というお話です。
子宮頸がんは「予防できるがん」です

子宮頸がんの主な原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスです。
HPVは決して珍しいウイルスではなく、性経験のある女性なら誰でも感染する可能性があります。
多くのがんは、原因を特定することが難しく、早期発見・早期治療が大切です。
一方、子宮頸がんは、その原因となるウイルスが分かっており、ワクチンによって感染を予防できる「予防できるがん」のひとつです。
なぜ「10代」で接種するの?
HPVワクチンは、HPVに感染する前に接種することで、より高い予防効果が期待できます。
そのため、性交渉を経験する前の10代前半、小学校6年生~高校1年生相当の時期が、定期接種の対象となっています。
大切なのは、「今すぐ必要だから」というより、
将来、HPVに出会う前に、あらかじめ備えておく
という考え方です。
また、HPVワクチンは、すでに感染しているHPVを治療するワクチンではありません。
だからこそ、感染する前の接種が大切なのです。
子宮頸がんは、若い世代にも関係があります

子宮頸がんは、20~30代の若い世代にもみられます。
この年代は、仕事や結婚、妊娠・出産など、人生の大切な時期と重なることも少なくありません。
子宮頸がんの治療によっては、子宮を失うことになったり、妊娠・出産に影響が出たりする場合もあります。
「まだ10代だから、がんのことを考えるのは早い」
そう感じるかもしれません。
でも、HPVワクチンは、まさに将来の自分の体を守るために、今からできる予防なのです。
「受ける・受けない」を決める前に
HPVワクチンについて、迷うこと自体は決して悪いことではありません。
大切なのは、SNSなどの情報だけで判断するのではなく、
「なぜ接種するのか」
「どんな効果があるのか」
「どんなことに注意が必要なのか」
を知ったうえで、お子さんと一緒に考えること。
次回は、保護者の方が特に気になる
「効果は?」「副反応は大丈夫?」
というHPVワクチンの安全性について、分かりやすくお話しします。