
知っておきたい双子妊娠のこと 第2回 双子妊娠がハイリスクと言われる理由
こんにちは。マミィクリニック伊集院です。
前回に続いて双子妊娠についてお話ししていきます。
今回は「双子妊娠がハイリスクと言われる理由」についてです。
双子妊娠は、単胎妊娠(赤ちゃん1人の妊娠)と比べて母体・赤ちゃんの両方にさまざまな合併症が起こるリスクが高くなります。
では具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。
切迫早産・早産
双子妊娠では1つの子宮の中で2人の赤ちゃんが成長するため、単胎妊娠に比べて子宮が大きくなり、子宮への負担も大きくなります。
子宮が過度に伸展することなどから、子宮収縮が起こりやすく切迫早産や早産のリスクが高くなります。
実際に、双子妊娠では妊娠37週未満で生まれる割合は約50%とされており単胎妊娠と比べて高率です。
また、平均分娩週数が35週前後とされる報告もあります。
微弱陣痛・弛緩出血
双子妊娠では子宮が大きく伸展しているため、分娩時に子宮の収縮が弱くなることがあります。
そのため分娩時の微弱陣痛や、分娩後の弛緩出血のリスクが高くなります。
弛緩出血
赤ちゃんや胎盤が娩出されたあとに子宮の収縮が十分に起こらず、胎盤が付着していた部分からの出血が止まりにくくなる状態です。
出血量が多くなると貧血や血圧低下・ショックなどにつながる可能性があるため、分娩後は出血量や子宮収縮の状態を注意深く観察します。
必要に応じて、子宮の収縮を促す薬剤の使用など、適切な処置を行います。
貧血
妊娠中は赤ちゃんの成長に伴って鉄の必要量が増えます。
特に双子妊娠では、赤ちゃんが2人いることから単胎妊娠よりも鉄の必要量が増え、鉄欠乏性貧血になりやすくなります。
また、双子妊娠では分娩時の出血量が多くなることもあるため、妊娠中から貧血の有無を確認し必要に応じて食事の工夫や鉄剤の内服などで対応していくことが大切です。
妊娠高血圧症候群(HDP)
双子妊娠は、妊娠高血圧症候群(HDP)のリスク因子の一つです。
HDPは、妊娠中に高血圧を認める病気で、重症化すると母体だけでなく赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があります。
双子妊娠では、単胎妊娠と比べてHDPのリスクが高くなることが知られています。
そのため、妊娠中は血圧測定や尿検査などを行い早期発見・早期対応につなげていくことが大切です。
HELLP症候群
HELLP(ヘルプ)症候群とは、HDPに関連して起こることが多い重篤な合併症の一つです。
「HELLP」という名前は
Hemolysis:溶血
Elevated Liver enzymes:肝酵素上昇
Low Platelet count:血小板減少
の頭文字から名付けられています。
症状としては、
- 突然の上腹部痛
- 吐き気・嘔吐
- 強いだるさ
などが見られることがあります。
HELLP症候群は急速に状態が悪化することがあるため、気になる症状がある場合は自己判断せず医療機関へ相談することが大切です。
おわりに
このように双子妊娠では、
- 切迫早産、早産
- 微弱陣痛、弛緩出血
- 貧血
- 妊娠高血圧症候群(HDP)
- HELLP症候群
など、単胎妊娠に比べて様々なリスクが高くなります。
そのため、双子妊娠では妊娠中から母体と赤ちゃんの状態をより慎重に確認し管理を行っていくことが大切です。
「双子だから必ずトラブルが起こる」ということではありません。
それぞれの妊娠経過を丁寧に確認しながら、必要なタイミングで適切な対応を行うことで、安心して出産を迎えられるようサポートしていきます。
双子妊娠について不安なことや気になることがあれば、いつでもご相談ください。
次回は「妊娠中に準備しておくとよいもの」についてお伝えする予定です。どうぞお楽しみに!