
妊娠中にできるRSウイルス予防 ― 赤ちゃんを守る“最初の準備”
今回のテーマはRSウイルスワクチンについてです。
「聞いたことはあるけど、実際どうなんですか?」
そんな声がとても増えています。
ワクチンのことも踏まえてお話します。
目次
RSウイルスは“よくある”けれど、赤ちゃんには油断できない感染症
RSウイルスはとても身近なウイルスで、
- 1歳までに約50%以上が感染
- 2歳までにほぼ100%が一度は感染
すると言われています。
多くは風邪のような症状で終わりますが、生後6か月未満の赤ちゃんでは重症化しやすいことが知られています。
実際に、ゼーゼーと苦しそうに呼吸する小さな赤ちゃんが入院する姿を、私たちも毎年目にします。
「もっと早く何かできなかったかな…」
そう感じるご家族の気持ちに触れるたび、予防の大切さを実感します。

妊娠中にできる予防があります
現在、日本で妊婦さんが接種できるRSウイルスワクチンはアブリスボ です。
妊娠中に1回ママが接種すると、ママの体で作られた抗体が胎盤を通して赤ちゃんへ移行します。
接種の目安は
妊娠24〜36週(推奨は28〜36週)
生まれてすぐから、生後約6か月頃までの重症RSウイルス感染症を減らす効果が確認されています。
これは「感染をゼロにする」ワクチンではなく、重症化を防ぐためのワクチンです。
ママへの影響は?
副反応は
- 注射部位の痛み
- 倦怠感
- 頭痛
など、一般的なワクチンと同様の軽度な症状が中心です。
妊婦さんと赤ちゃんの安全性は、臨床試験を経て承認されています。
鹿児島でも流行はあります
RSウイルスは秋冬だけの病気、と思われがちですが、近年は季節を問わず流行がみられることもあります。
鹿児島市でも毎年報告があり、小さな赤ちゃんの入院が出る感染症のひとつです。
「流行ってから考える」ではなく、妊娠中に準備できる予防策があることを、ぜひ知っておいてほしいと思います。
2026年4月から公費対象になりました
2026年4月から、RSウイルスワクチンは公費対象となりました。
費用面で迷っていた方にとっても、ぐっと選択しやすくなっています。
当院で接種できます
RSウイルスワクチンも当院で接種可能です。
「受けたほうがいいですか?」
「副反応が心配で…」
そんな気持ちも、遠慮なく相談してください。
決めるのはママとご家族です。私たちは、その選択を支える立場でありたいと思っています。

最後に
赤ちゃんが一番弱い時期は、生まれてすぐの数か月。
その時期を守れる方法があるなら、それは“最初の準備”のひとつかもしれません。
妊娠中の今だからこそできる予防。健診の際に、ぜひ一緒に考えていきましょう。