
『パパの育児参加』 妊娠期から始める、ふたりで育てるということ
「育児はママがするもの」
そんなイメージ、まだどこかに残っていませんか?
でも、今は“ふたりで育てる”時代。
パパの関わりは、赤ちゃんにとってもママにとっても、とても大きな意味があります。
今日は妊娠期から1歳ごろまでを見すえて、パパの育児参加について助産師の視点からお話しします。
目次
妊娠中から「父親」ははじまっています
赤ちゃんが生まれる前から、すでに育児は始まっています。
お腹の中にいる赤ちゃんは、ママの気持ちや声、外の音を敏感に感じ取っています。
そんな時期にパパができることは…
- 妊婦健診に一緒に行く
- お腹の赤ちゃんに声をかける
- 家事を分担する
- ママの体調を気づかう など
パパが「自分も家族の一員なんだ」と実感することで、出産後の育児参加も自然にできるようになります。
生まれてからの“パパの出番”
赤ちゃんが生まれてからは、「できること、意外とたくさんあります」。
- 抱っこやおむつ替え
- 沐浴や寝かしつけ
- ミルクの準備(母乳の場合はママのケアや応援も!)
- 赤ちゃんとのふれあいタイム
- 夜中の対応をシェアする など
初めてのことばかりで戸惑うのは、ママもパパも同じです。
「お互いさま」で声をかけ合って、協力しながら一歩ずつやっていけるといいですね。
パパの関わりが赤ちゃんにもたらすもの
育児に積極的なパパと過ごす赤ちゃんは…
- より安定した情緒を持ちやすい
- パパとの信頼関係が深まり、人との関係を築きやすくなる
- ママにもゆとりができ、家族全体が穏やかに過ごせる
特別なことをしなくても、そばにいてくれることが赤ちゃんにとって何よりの安心なのです。
ママにとっても、パパの存在は大きな支え
出産後のママは、体も心もとても繊細です。
ホルモンの変化や慣れない育児で、不安や孤独を感じやすくなります。
そんなとき、パパが話を聞いてくれるだけでも心が軽くなるもの。
「ありがとう」「頑張ってるね」そんな一言が、ママの笑顔を引き出してくれます。
助産師からパパへのお願い
最近は「育児情報なら俺に任せとけ!」と、ネットやSNSで熱心に情報収集するパパも増えてきました。
知らないことをすぐに調べられる便利な時代。
その姿勢、とても頼もしく感じています。
でも、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。
今は、情報があふれすぎている時代でもあります。
中には間違った内容や、ある人には合っていても、自分たちには合わないものも。
「これが正しい育児なんだ!」と意気込んだ結果、
かえって不安になったり、ママとの気持ちがすれ違ってしまうこともあるかもしれません。
もし迷ったときには、どうかネットの情報だけに頼らず、助産師や専門家の声にも耳を傾けてみてください。
そのご家庭に合った「ちょうどいい育児」を、私たちと一緒に見つけていきましょうね。
ママからパパへ。うまく頼る&伝えるコツ
「何かしてほしいけど、どう言ったらいいかわからない」
そんなときは、ちょっとした“伝え方”の工夫が力になります。
お願いするときは“具体的に”
NG「なんでもいいから手伝って」
OK「今日はおむつ替えお願いしてもいい?」
OK「沐浴のあとにバスタオル取ってくれると助かる!」
→やってほしいことを具体的に伝えると、パパも動きやすくなります。
感謝はオーバーなくらいでちょうどいい
NG「それくらいやって当たり前でしょ」
OK「助かった〜!ありがとう!」
OK「〇〇もちゃんも嬉しそうだったね、パパ上手!」
→言葉にして伝えるだけで、次の行動にもつながります。
「ありがとう」と「うれしい」が、ふたりを自然にチームにしてくれます。
感じたことは、責めずにシェア
「こうしてくれると嬉しいな」
「最近、ちょっと疲れてるかも」
「お互いがんばってるよね」
→“ダメ出し”ではなく、“気持ちの共有”がカギ。
意見が違うときも、まずは気持ちを伝えるところからスタートしてみましょう。
助産院から伝えたいこと
私たちマミィ助産院では、ママだけでなくご家族全体をサポートしています。
パパも育児の主役です。
「どうやって関わったらいいかわからない…」そんな気持ちも含めて、どうぞ相談に来てください。
最後に
パパの育児参加は、ママの“手助け”ではありません。
家族をつくっていく、対等なパートナーとしての歩みです。
「できることから、少しずつでいい」
その一歩が、家族の未来をぐっとあたたかくしてくれます。