
帝王切開後の身体ケア 理学療法士が教える無理のない回復法
帝王切開は出産方法のひとつですが、産後の身体には大きな影響を与えます。
創口の痛みだけでなく、姿勢の変化や呼吸の浅さ、筋力の低下、骨盤底筋群への影響など、見えない部分にも負担がかかります。
今回は理学療法士の視点から、帝王切開後の「回復のためのケア」について、無理なくできるポイントをご紹介します。
帝王切開後、身体に起こる変化とは?
おこりやすい症状とその主な原因
- 創の痛み・つっぱり感 → 筋膜や皮膚、神経の損傷・癒着
- 呼吸が浅くなる → 横隔膜の動きや姿勢の変化による影響
- 猫背になる・骨盤がゆがむ → 創をかばう姿勢、筋力低下によるもの
- 腰痛・肩こり → 姿勢不良と育児による負担
- 骨盤底筋群の弱化 → 妊娠中からの負荷の影響
- 腹直筋離開が戻りにくい → 手術により腹筋の働きが弱くなる
出産を乗り越えた身体は、見た目以上にデリケートな状態です。
少しずつ回復を促す意識が大切です。
ケアのポイント
呼吸を整える
ポイント: お腹と胸が一緒に動く「腹式+胸式呼吸」を意識しましょう。
効果: 血流アップ、癒着の予防、リラックス効果、姿勢改善に◎
やり方:
仰向けまたは横向きで、手をお腹に当ててゆっくり深呼吸を10回。
息を吸うときにお腹がふくらみ、吐くときにしぼむ感覚を意識してみましょう。

創まわりのケア(痛み・癒着予防)
- 術後2〜3週間以降、医師の許可を得てから少しずつ始めましょう。
- 創から約3cm離れた部分を指で軽く押さえて、そっとマッサージします。
- 1か月健診後に問題がなければ、創の真上をやさしく動かすように皮膚をなでてみましょう。
※痛みや赤みがあるときは無理をせず、医療機関へ相談を。
骨盤まわりの筋肉を使う
- 呼吸に合わせて「骨盤底筋群」をキュッと引き上げるように意識。
- 仰向けで両ひざを立て、骨盤をゆっくり前後に傾ける(骨盤の前後傾運動)を行いましょう。
呼吸と連動させることで、無理なく体幹を目覚めさせることができます。
猫背&肩こり予防の姿勢リセット
- 抱っこや授乳で丸まりがちな背中を、意識的に伸ばしましょう。
- 壁に背をつけて、あごを軽く引き、深呼吸。
姿勢と呼吸をリセットする時間を作るのもおすすめです。
注意しておきたいこと
- 創が赤く腫れている、熱を持っている場合はすぐに受診を。
- 腹直筋離開がある場合、無理な腹筋運動は避けましょう。
- ケアを始める際は、必ず医師の許可を得て少しずつ行うのが大切です。
まとめ
帝王切開術後の身体は、外からは見えなくてもたくさんのダメージを受けています。
痛みや疲れを「我慢するもの」と思わず、自分の身体にもやさしく目を向けてみてください。
まずは「深呼吸」から。
ゆっくり少しずつ、元の自分を取り戻していきましょう。
理学療法士として、産後ママの回復を応援しています