
番外編 第2回 妊娠と糖尿病
みなさんこんにちは。マミィクリニック伊集院です。
今回のブログも、前回に引き続きマミさんの妊娠経過の番外編としてお届けします。
第1回:妊娠中の危険な出血
第2回:妊娠と糖尿病 ←今回はここ!
第3回:妊娠と高血圧
今回は妊娠と糖尿病がどう関係しているのか、そして妊娠中に血糖値が高くなるとどんな影響があるのかを分かりやすく解説していきます。
妊娠糖尿病とは?
妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発症する糖尿病にいたっていない糖代謝異常のことをいいます。
妊娠中は、血糖値を上げやすいホルモンが非妊娠時より多く分泌されます。
そのため、インスリンの必要量は通常の約2倍に増え、血糖値が高くなりやすい状態になります。
この結果、妊娠中に高血糖となる可能性が高くなるのです。
どのように診断するの?
スクリーニング検査
<妊娠初期>
全妊婦さんに対して、血液検査で「随時血糖」を確認します。
この採血では妊娠前から存在していたが見逃されていた糖尿病を発見することを目的としています。
(妊娠中の明らかな糖尿病)
随時血糖は100㎎/dl以上の場合、陽性と判断されます。
<50gGCT>
家族歴に糖尿病の方がいる場合などは、妊娠糖尿病のリスクがあるため妊娠中期にブドウ糖50gが含まれた甘い飲み物を飲み1時間後に採血を行う検査をすることがあります。
この50gGCTでは1時間後の血糖値が140㎎/dl以上で陽性と判断され、次の確定検査を行うことになります。
確定診断検査(75gOGTT)
ブドウ糖75gが含まれた甘い飲み物を飲み、時間経過ごとの血糖値を測定します。
- 空腹時血糖値測定(採血➀)
- ブドウ糖摂取
- 1時間後に採血(採血②)
- 2時間後に採血(採血③)
空腹時:92㎎/dl以上
1時間値:180㎎/dl以上
2時間値:153㎎/dl以上
のいずれかを超えた場合、「妊娠糖尿病」と診断されます。
当院では、妊娠糖尿病と診断された時点で内科受診をするようお話しています。
どんな影響があるか
妊娠中に血糖値が高い状態が続くと、ママと赤ちゃん双方に影響があります。
ママへの影響
- 妊娠高血圧症候群
- 羊水過多(羊水量が多く早産のリスクとなることも)
- 肩甲難産(分娩時に赤ちゃんの肩が引っかかる)
- 糖尿病性網膜症
- 腎症 など
赤ちゃんへの影響
- 流産・早産のリスク
- 巨大児
- 低血糖
- 高ビリルビン血症(黄疸) など
妊娠中に気を付けること
血糖コントロールがしっかりできていれば、赤ちゃんへの影響は大きく減らすことができます。
血糖コントロール
スクリーニング検査で異常が見つかった場合は、糖尿病専門の内科医と連携しながらコントロールしていきます。
食事
糖値の急上昇を防ぐために、1日の食事を4~6回に分けて摂るよう指導されることがあります。
食事療法は「ただ制限する」のではなく、赤ちゃんのためにきちんと栄養を確保しながら行う必要があります。
自己判断はせず、必ず主治医と相談しましょう。
妊娠中の体重管理や食事に関するブログもありますので参考にしてみてください。
母乳育児との関係性
実は糖代謝と母乳育児には大きな関係があります。
授乳をすることは糖代謝状態を改善し、将来の糖尿病発生を予防してくれると言われています。
血糖コントロールを良好に保つことが母乳の維持のカギとなります。
出産後の注意点

妊娠中に妊娠糖尿病と診断された妊婦さんは、分娩後6~12週の時点でブドウ糖の負荷試験を受けて再評価します。
また、妊娠糖尿病であった女性の17~63%が5~16年後に糖尿病に移行すると言われています。
そのため、出産後も継続的なフォローが重要です。
産後は育児に追われがちですが、将来の糖尿病を予防するためにも、
食生活や運動習慣を意識しながら過ごしていきましょう。
さいごに
妊娠糖尿病は、きちんとコントロールすれば大きなトラブルを防げる病気です。
不安を感じた時は、一人で抱え込まず遠慮なく相談してくださいね。
次回は「妊娠と高血圧」についてお届けします。
引き続き、マミさんの妊娠経過番外編をお楽しみに!
